2018年度設計系授業参考作品

*1年次設計演習授業

建築デザイン演習1(春・水3−4・1セメスター)

◎小沢朝江・加藤仁美・十亀昭人・野口直人・番場俊宏・藤田大海・金子哲也・森昌樹・平本玲・稲益祐太

「小空間の設計」

■目的
 身体に近い寸法を持つ単純な形態を複数回操作し、出来上がる形態や内部、外部空間の多様性を皆で共有することを第一の目的とする。また、各自が行った操作について、言葉で説明ができることを第二の目的とする。

 

■設計の内容
1・外形寸法1800×1800×18000のチューブ状の形態に、何らかの操作を複数回加え、

  その内部/外部ともに使用できるものを想定する。
2・模型の素材と厚み、着色は自由だが必ず内部に空間があること。自らの設計に相応しい素材を考える。
  Ex:スチレンボード、ケント紙、木、金属等
  エスキスやスタディ時はケント紙・スチレンボード等の簡単に加工できるものが望ましい。
3・加えた操作の中で、優勢な操作の名前をサブ・キーワードとして挙げる。
  Ex:切断、曲げ、貫入、捻る、積み重ねる等
4・出来上がる空間や形態にキーワードをつける。
  Ex:悲しい、激しい、可愛らしい、穏やかな、人を寄せ付けない等
5・どのように使用できるか、その機能を提案する。
  Ex:学生のための休憩所、ベンチ、公園内の東屋、フォリー等
※1~5は、一方的に進むものでは必ずしもなく、同時並行に検討されるべきものである。

 

■注意事項
身体の寸法との関係を常に把握しながら、設計を進めること。
※演習の期間内はメジャー(コンベックス)を必携のこと。
※模型には必ず自分の身長の人型を入れること。
※模型には別で作成した点景(イスやテーブルなど)を置かないこと。
※イスやテーブルのような機能をもたせたい場合はチューブの操作で表現すること。

建築デザイン演習2(秋・水3−4・2セメスター)

◎加藤仁美・十亀昭人・伊藤喜彦・野口直人・番場俊宏・彦根明・井上玄・森屋隆洋・森昌樹・伊藤州平

*2年次設計演習授業

建築デザイン3・同演習(春・木3−4・3セメスター)

◎野口直人・杉本洋文・山崎俊裕・小沢朝江・井上玄・白子秀隆・彦根明・山口紗由・明野岳司・山下貴成・森屋隆洋

都市のリビング

 私たちは、豊かな生活をするために都市にちりばめられた機能を、まるで自分の家のように使うことによって生活を成立させている。ある時はレストランで食事をし、図書館で勉強をし、ランドリーで洗濯をし、公園で昼寝をする。時には部屋着のまま、まるで自分の部屋にいるように近所のコンビニへ行くなど、自分の家を拠点としながら都市に私的なテリトリーを広げているのではないだろうか。
 本課題では、自分の居場所と思える都市のリビングを考えてほしい。それはただ単に私的な空間が露出するだけではなく、複数の私的な空間が重なり合うことによって、これまでとは違った地域におけるコミュニティの創造を期待するものである。それは、例えば地域の人との新しい交流を行える場所であったり、友達と集まれる場所、家事の一部を共有しながらコミュニティを醸成する場所であるかもしれない。
 都市のリビングとは、あなたの空間であってあなただけの空間ではない、都市に住まう人のための広場のような場所であり、これまで公民館や集会場などが担ってきた地域の拠点を補いつつ、日常生活の一部として機能する場所の提案を求む。

 

■設計条件
 敷地:神奈川県秦野市
 敷地面積:331㎡
 延床面積:100㎡程度(面積の増減は10%まで認める)
      延床面積は「屋根と柱、梁に囲まれた空間」とするが、

      延べ床面積の内、最低50%は屋内空間として計画すること。
 階数:自由(地階のみは不可)
 構造:自由
 その他:建物だけでなく、敷地内のランドスケープも提案すること
■必要諸室
 ・自由に用途を想定し、その用途が成立するための諸室を満足させること
  (例えばカフェであれば、テーブルと椅子、キッチン、食品庫が必要となる)
 ・トイレ(男性用トイレ、女性用トイレ、だれでもトイレを最低1室ずつ)

部屋とリビングと隣

 郊外の住宅は高度経済成長期に地方から大都市へ流入する人口の受け皿として、同一時期に大量かつ画一的な住宅が供給されました。しかし、近年、人口減少、超高齢化時代、都心回帰の流れもあり、郊外の住宅の魅力は失われ、虫食い状に空き家が発生し、住環境が悪化していくリスクを抱えています。
 また、東日本大震災の経験から、私たちは家族や地域とのコミュニティーの大切さを再認識しました。共働き夫婦の増加やインターネット・SNSの発達により、ライフスタイルが多様化した現在では、従来のnLDKのような形式にとらわれない、柔軟な住まい方が求められています。
 本課題では家族「部屋」とのつながり方、地域「隣」とのつながり方を考慮した住宅を考えてください。「リビング」の価値を再考し、もっと外に開かれた居場所となることを期待しています。それは、共働き家族の子供のケアや高齢者のケアといった家族の機能を補完するものであったり、SOHOのような職住近接で働く場所であったり、コミュニティーカフェのような地域交流の場であるかもしれません。
 既成の概念にとらわれず、自由な発想で、郊外の住宅が活性化するような魅力的な住宅の提案をしてください。
 
■敷地条件
 神奈川県横浜市都筑区
■建築条件
 敷地面積:222㎡
 建ぺい率:40%
 容積率:80%
 用途地域:第一種低層住居専用地域
 最高高さ:10m
 要求面積:120㎡程度
 その他:建物だけでなく敷地内のランドスケープも提案すること
■家族構成
 40代夫婦+子供2人

うちと外をシェアする

 都市ではたくさんの人々や建物が高密度に集まっています。限られた場所と資源を効果的に活用するために、都市の生活では様々な共有=シェアが行われています。
 例えば、職種の異なる人々が部屋を共有して働くシェアオフィス。プリンターなどの機材や会議室のような広いスペースをシェアし、自分でオフィスを構えるよりも低コストで快適な仕事環境が整います。また、使いたい時だけ使えるカーシェアリングやレンタサイクルといったモノをシェアする便利なサービスもあります。住宅においても、子どもの勉強部屋をあえて作らず、子どもはリビングダイニングで宿題をし、親は隣で家事をすることで生活の時間を共有する過ごし方もシェアの一例と言えます。このように、個人で所有していた場所やモノを他者とシェアすることは色々な場面で増えつつあります。
 しかし、シェアすることは良いことばかりではありません。プライバシーが無く落ち着かない、自分のモノじゃないから好き勝手出来ない、共有するためのルールを守らなければならないなど、その代償もあります。つまり、こうしたメリット/デメリットに対して適度にバランスを取ることがシェアする上での重要なポイントになってきます。
 今課題では、シェアすることを通してプライベート(うち)とパブリック(外)を考えながら、4~6世帯の住まいを設計して下さい。住まいの中には、住民同士がシェアする機能及び空間に加え、街とシェアする機能及び空間を含めた建物を提案してください。

 

■設計条件
 敷地住所:東京都渋谷区鉢山町
 敷地面積:342㎡
 建ぺい率:60%(許容205㎡)
 容積率:200%(許容684㎡)
 用途地域:第二種低層住居専用地域
 要求面積:500㎡程度(面積の増減は10%まで可)
 高さ制限:16m未満(基準面はGL±0)
 構造及び階数:自由
■要求諸室
 ・4~6世帯の住居スペース
 (住人の構成や面積配分は自由に設定して良いが、周辺環境を考慮して決定すること)
 ・住人同士がシェアできる機能、空間(面積は自由に設定して良い)
 ・街とシェアする機能、空間(面積は自由に設定して良い)
■その他
 ・周辺環境に配慮した計画とすること。
 ・駐車場は設けなくても良い。

建築デザイン4・同演習(秋・木3−4・4セメスター)

◎渡邉研司・山崎俊裕・河内一泰・白子秀隆・古見演良・山口紗由・山下貴成・納谷新・佐屋香織

*3年次設計演習授業

建築設計論1・同演習(春・月3−4・5セメスター)

◎渡邉研司・佐々木龍郎・手塚由比・古見演良・篠崎弘之

代官山メディアライブラリー                     -たくさんの人が集まる場所としての都市型ライブラリー-

 建築の設計において、public(公共)は欠かせない概念の一つである。社会生活を行う上で無意識に使用している施設全てにpublic(公共)は存在している。 この課題では「これからの図書館」を考えることで、公共の意味を問うものである。図書館の未来像として魅力的なカタチを提案してほしい。


メディアの今 

 現在の本は、文化の根源的メディアとして数百年の歴史を持っている。しかし、この伝統的メディアは、デジタルツールの普及によ りデジタルメディアに急速に取って代わりつつある。現在の本が全てデジタルメディアに代わるとは考え難いが、その関係性は大きく変化していくだ ろう。最近ではデジタルメディアに対して、プリントメディアという言葉が使われるようになり、社会生活における本の位置付けも変わってきている。 本屋も、代官山蔦屋書店(Tサイト)のように、さまざまな機能・役割が付加されたメディアストアへと変わりつつある。公共建築である図書館もまた、 これまでの図書管理を中心としたサービスから、公共施設として「これからのカタチ」を考えなくてはならない岐路にある。 


ヒルサイドテラス建築群について 

 代官山地域を所有していた朝倉家が建築家.槇文彦に依頼し、1969年から1998年まで30年をかけて作られた。 1 期計画が完成した現在、ヒルサイドテラスは旧山手通りに沿って 10 棟+デンマーク大使館で全体が構成されている。これほど良好な「街」とも言 える空間を一人の建築家がデザインしたものは稀有な存在であり、世界中から注目を得ている。各建物には前庭、中庭など小さな広場が備わりそれら が連続して気持ちよいロードサイド空間になっている。広場ではイベントやワークショップなどが頻繁に行われていて、基本は商業の空間なのに街の 文化を作っている。まさに、都市のなかで、公共性をもつ低層な建築空間、街空間と言える。課題でのコンテクストは、代官山地域全体を示すが、ヒ ルサイドテラスの空間をコンテクストと捉えてもいい。

 

■敷地
 東京都渋谷区猿楽町
■敷地条件
 4,470㎡(間口: 85m×奥行き: 50m)
 第2種中高層住居専用地域 建ぺい率60%(角地緩和70%) 容積率300% 準防火地域
■設計条件
 建築面積:3,129㎡以下(敷地面積×70%)
 延べ面積:5,000~6,000㎡(内外かかわらず広場を含む総面積)
 構造形式:木造.S造(鉄板造含む).RC造.ハイブリッド造など
 計画範囲: 階数2層以上(GLより地下7m.地上20mまで計画可能範囲)
 必要諸室:

  ・広場 500~1500㎡(内外とも可)
  ・エントランスホール 適宜
  ・レファレンスコーナー 50㎡(オープンなスペースでよい)
  ・既存の開架形式を発展させた開架書架(メディアストック)10万冊程度 500㎡
  ・多様なタイプの閲覧スペース 合計1000㎡
  ・イベント.レクチャーワークショップ等のレンタルスペース 300㎡×1、 100㎡×3、 30㎡×6
  ・本をつくる工房(準備室含む)  200㎡
  ・ライブラリーショップ 100㎡
  ・カフェ(キッチン含む)  150㎡
  ・レストラン(キッチン.食品庫含む)  250㎡
  ・トイレ 50㎡×2以上
  ・階段×2以上
  ・EV×2以上
  ・管理機能(事務.従業員休憩.トイレ) 150㎡
  ・倉庫150㎡・廊下 適宜
  ・設備機械室 (延べ面積の8%程度 400~480㎡地下で可)
  ・(中型トラック)搬出入、荷捌きスペース(内外とも可)

銀ブラターミナル                         -立体的なパブリックターミナルをつくり、銀座の社交の文化を育む-

■銀座について
 銀座は商業の街です。東京に進出する有名ブランド店は最初に出店する候補地を2つ、銀座と表参道を挙げます。現状その通りに、銀座には有名ブランドが立ち並び、成熟した商業の街「GINZA」として世界的にも有名で海外から多くの観光客が訪れています。その一方で、銀座の街には公共空間や公園は少なく、1970年代から大通りを週末歩行者天国として利用しています。銀座は道路を公共空間、パブリックスペースとして利用してきました。秋葉原や原宿で若者を中心に文化を発信してきた歩行者天国は、今はすでになく、銀座は今も歩行者天国を続けています。世界で最も成熟している都市といわれるニューヨークは、プラザプログラムという制度を導入し、歩行者空間を広げていて、ハイラインと呼ばれる高架の廃線を利用したリニアな都市公園をつくっています。「GINZA」としてさらに成熟していくために、これからの銀座には公共的な場所が必要となってきています。近年開発が行われた大型商業施設の銀座三越も歌舞伎町もGINZA SIXも全て、屋上庭園やテラスを公共空間として開放することで法規上の容積率緩和を受けて大きなヴォリュームを作っています。これからの銀座には都市開発計画としても公共空間は必須です。


■敷地・パブリックターミナルについて
 銀座の道路を公共空間として位置付けると、他の大型商業施設の屋上庭園やテラスの公共空間と立体的につながります。交差点は文字通り道のターミナルです。その交差点の一角地を計画敷地とします。道路から敷地を含めて、立体的なパブリックターミナルとして銀座の街に開く公共的な多層建築を計画してください。この敷地は現状更地です。1966年に芦原義信さんがソニービルを設計し、らせん状にスキップフロアで構成された立体的で、交差点と一体となった都市空間を形成していました。その事例も大いに参考にして、多層建築の縦の動線計画を重要視して計画してください。


■社交の文化、銀ブラについて
 銀座は社交の文化が育まれてきました。ファッションや映画、演劇、伝統芸術、夜の街として、人と人が交流して様々な文化を学び育んで世界にその文化を発信しています。その発信される文化に、ブラブラ散歩しながら気軽に触れることができるのが銀座の特徴であり、「銀ブラ」という言葉があります。今、銀座から発信する文化は何なのか、立体的な銀ブラとはどういうものなのか、銀ブラしながら考えてください。


■敷地
 東京都中央区銀座
■敷地面積
 712㎡:商業地域・防火地域
 容積率:800%+容積緩和+300% 建ぺい率:80%(角地緩和+10%)
■設計条件
 延床面積:6,000㎡前後
 構造形式:自由(鉄骨造、RC造、SRC造、一部木造など)
 階数  :地下1~2層、地上8~10層程度(最低高さ40m、最高高さ60mとする)
 用途  :文化施設(文化・芸術活動のために使用される施設)


 下記を基準にして計画を行うこと。(提案に応じて変更してよい)
 1. 日本を代表する企業の技術・製品を通じて東京の今の銀座の街を知り、学び体験するスペース:

                                          合計2,500㎡
   a.プロダクト展示:500㎡
   b.情報展示:300㎡(書籍、DVD、パネル展示など)
   c.音楽スタジオ:400㎡(300人スタンド収容、仮設ステージ付、ライブ、音楽体験)
   d.映画演劇スタジオ:500㎡(250人席収容、常設ステージ付、映画、演劇体験)
   e.インタラクティブスタジオ:400㎡

    (個室に間仕切ることができるように計画、ゲーム、aibo、スマートフォン、PC、VR体験)
   f.写真スタジオ:400㎡(撮影スタジオ、写真パネル展示、カメラ、ビデオ体験)
 2.通路、階段、テラス、庭園(屋内外)等:1,700㎡
 3.1のインフォメーションスペース(エントランスを兼ねる):300㎡
 4.カフェ:250㎡(厨房含む)
 5.1のショップ:150㎡(倉庫含む)
 6.管理事務スペース:300㎡
 7.便所:300㎡(各階適宜)
 8.機械室:500㎡
 ※直通避難階段として、区画された階段およびEVは1以上計画すること
 ※一般駐車場は敷地外とするが、搬出入サービス動線は確保すること

建築設計論2・同演習(秋・月3−4・6セメスター)

◎杉本洋文・上田至一・長谷川祥久