2019年度設計系授業参考作品

*1年次設計演習授業

建築デザイン演習1(春・水3−4・1セメスター)

◎小沢朝江・加藤仁美・十亀昭人・伊藤喜彦・藤田大海・番場俊宏・金子哲也・平本玲・森昌樹・長谷川栄子

建築デザイン演習2(秋・水3−4・2セメスター)

◎伊藤喜彦・小沢朝江・十亀昭人・野口直人・彦根明・番場俊宏・井上玄・森屋隆洋・森昌樹・伊藤州平

*2年次設計演習授業

建築デザイン演習3(春・木3−4・3セメスター)

◎野口直人・小沢朝江・渡邉研司・彦根明・白子秀隆・井上玄・山口紗由・明野岳司・森屋隆洋・伊藤州平・富永哲史

非日常としてのTea House

 日本の伝統的な建築の一つに「茶室」がある。一番小さな交流施設とも言われており、また日常生活から切り離された非日常体験を可能とする空間でもある。茶室の世界は奥が深く理解することは難しいが小さいが故に、空間スケール、空間構成、各部寸法を“身体感覚を伴って”捉えられる。本課題では、現代における小さな交流の場であるとともに、非日常体験を可能とする「Tea House」をデザインしてほしい。
 現代における「Tea House」をデザインするにあたり、伝統的な茶道に沿ったものではなく、交流の形式は自由とするが、日常と切り離された空間で、2人以上でお茶のセレモニーができるものとする。
 あなたが考える日常とはなにか。その対比としての非日常とはなにか。そのような状況で生まれる交流とはなにか。自分ならではの考えを元に、それが可能となる最小限の空間をデザインしてほしい。
 外部空間(日常)とどのようにつながっているべきなのか。
そのような空間はどのくらいの広さ・高さがふさわしいのか。
人と人との距離感はどのくらいがよいのか。
どのような開口をあけたらよいのか、またあけないほうがよいのか。
素材はどのようなものがよいのか。
 小さい空間であるがゆえに、繊細な寸法感覚とそれに伴う効果をしっかりと考える必要がある。
 デザイン2で学んだ空間デザイン(光の取り入れ方・身体スケール・素材感・ひとの行為)、デジタルデザインで学んだ寸法感覚(空間の規模や階段の寸法など)を十分に生かすことを期待する。

 

■敷地条件
・東海大学湘南校舎の敷地内、北門周辺の三角地
■設計条件
・建築面積:10㎡以下
・延床面積:15㎡以上20㎡以下 ※必ず2階以上が必要となるので注意すること
・機能:2人以上でお茶のセレモニーができる空間
    伝統的な茶道に沿ったものではなく、交流の形式は自由とする
    トイレ・キッチンなどは必要なし
・構造:使用材料、構造は自由
・形式:常時設置、ポータブルな組み立て式、セルフビルドできるなど、自由な形式でかまわない

部屋とリビングと隣

 郊外の住宅は高度経済成長期に地方から大都市へ流入する人口の受け皿として、同一時期に大量かつ画一的な住宅が供給されました。しかし、近年、人口減少、超高齢化時代、都心回帰の流れもあり、郊外の住宅の魅力は失われ、虫食い状に空き家が発生し、住環境が悪化していくリスクを抱えています。
 また、東日本大震災の経験から、私たちは家族や地域とのコミュニティーの大切さを再認識しました。共働き夫婦の増加やインターネット・SNSの発達により、ライフスタイルが多様化した現在では、従来のnLDKのような形式にとらわれない、柔軟な住まい方が求められています。
 本課題では家族「部屋」とのつながり方、地域「隣」とのつながり方を考慮した住宅を考えてください。「リビング」の価値を再考し、もっと外に開かれた居場所となることを期待しています。それは、共働き家族の子供のケアや高齢者のケアといった家族の機能を補完するものであったり、SOHOのような職住近接で働く場所であったり、コミュニティーカフェのような地域交流の場であるかもしれません。
 既成の概念にとらわれず、自由な発想で、郊外の住宅が活性化するような魅力的な住宅の提案をしてください。
 
■敷地条件
 神奈川県横浜市都筑区
■建築条件
 敷地面積:222㎡
 建ぺい率:40%
 容積率:80%
 用途地域:第一種低層住居専用地域
 最高高さ:10m
 要求面積:120㎡程度
 その他:建物だけでなく敷地内のランドスケープも提案すること
■家族構成
 40代夫婦+子供2人

広く立体的であること                        -豊かな狭小都市型住まい-

 都心部での生活は、昼夜に関わらず溢れる様々な情報に触れることができとても楽しい(と思う)。また、その生活において、必ずしも衣食住を自分の住まいの中で完結させずに成立させることが可能である。例えば、24時間営業のコンビニやカフェ、レストランなどでは食が補え、漫画喫茶やビジネスホテル、カプセルホテルなどでは住が補える。また、ファストファッションのアイテムによって気軽に外で着替えを購入することも簡単である。家族を持たない世代やライフスタイルの人々(単身者・カップルなど)は、地価が高くとも都心部において低家賃の狭小住戸で成り立つ集合住宅に住まいを借り、衣食住を街の中で補いながら、都心部での生活を楽しんでいる人が多くいる。 しかしながら、そういった生活を受ける集合住宅建築は、高密度化された都心部において、ただの小さな箱の集まりに成り下がりやすく、豊かな住環境(光・風・サイズ・機能)の提供が難しい場合が少なくない。
 そこで、今課題では、単身者・カップルのための住戸群を設計課題とする。床面積としては狭小でありながら空間的に立体的で大きく、豊かな住環境が得られ、更には住人同士がシェアすることのできるスペースがあることで、各住戸の限られた機能が拡張され様々な意味で広く感じられるような、そんな都市部での生活がより豊かになる住まいを求める。

 

■敷地
 所在地:東京都目黒区
 敷地面積:344㎡
 建ぺい率:60%
 容積率:300%
■設計条件
 周辺環境や方位などから、採光・通風・眺望を考慮し、全ての住戸がこれらに対して平等となる立体的な住戸群を計画すること。同じ平面のフロアを積み上げる設計はNG。立体的な住戸がどういった豊かさを獲得できるかを考えること。
要求諸室:住戸
      5世帯分の住戸(単身者もしくはカップル(最低2組)割り振り自由)      

       各住戸40㎡前後かつ必ずしもワンルームでなくて良い。

       各住戸に最低限の機能(トイレ・浴室・キッチン・洗濯機)は設ける
      シェアスペース
      住人同士がシェアすることができ、街並みとつながることのできるスペース
      例)桜並木を見ることができるおおきなバルコニー、

        大勢で食事ができる大きなキッチンとダイニング、

        各住戸と緩やかにつながりながら自由に外部環境が得られるガーデンテラス
要求面積:300㎡
高さ制限:20m
構 造 :自由
階 数 :3層以上とする

建築デザイン演習4(秋・木3−4・4セメスター)

◎渡邉研司・山崎俊裕・河内一泰・納谷新・白子秀隆・山口紗由・山下貴成・佐屋香織・富永哲史

*3年次設計演習授業

建築設計論1・同演習(春・月3−4・5セメスター)

◎山崎俊裕・河内一泰・手塚由比・篠崎弘之・長谷川祥久

銀座パーク                              -新しい公共的な多層建築のかたちを考える-

 2017年に旧ソニービルが解体され、高密度な商業地の街に余白をつくるというコンセプトでギンザソニーパークができました。2022年には公共スペース(パーク)を含んだソニーのショールームのビルを建てる予定とのことです。
 この課題では、そのストーリーを引用して、公園のようなビルを設計してもらいます。日本人や海外の観光客など多くの人が集まる銀座の街にふさわしい文化施設と共に、歩道や広場、公園など屋外の公共スペースを立体的に織り上げ、新しい公共的な多層建築のかたちを提案してください。

 

■敷地条件
 東京都中央区銀座 707㎡
 商業地域 防火地域 

 建ぺい率90%(角地緩和10%を含む) 容積率1100%(容積緩和300%を含む)
■設計条件
 延べ面積:6,000㎡程度
 構造形式:自由(鉄骨造・RC造・SRC造・木造など)
 階数: 地下1~2層、地上8~10層程度(最低高さ40m、最高高さ60mとする)
 用途:文化施設+公園
1)屋内スペース4000㎡
  ・屋内スペース大 400㎡×2  800㎡
  ・屋内スペース中 200㎡×2  400㎡
  ・屋内スペース小 100㎡×4  400㎡
    ※具体的なアクティビティを想定する事
    Ex:エントランスホール、インフォメーション、展示、イベント

       メディアライブラリー、カフェなど
  ・通路等            900㎡
  ・事務管理スペース       300㎡
  ・機械室            500㎡
  ・便所             300㎡(適宜)
  ・階段(区画された直通避難階段)×1、その他の階段やスロープは自由
  ・EV×1か所、PS+EPS(各階40㎡×10程度)400㎡
2)屋外スペース2000㎡
  ・屋外スペース大        400㎡
  ・屋外スペース中        200㎡
    ※具体的なアクティビティを想定する事
    Ex:エントランスピロティ、公園、眺望テラス、屋外イベントスペース

                カフェ、屋外シアターなど
  ・階段・スロープ等      1400㎡
  ・搬出入スペース(2tトラック1台分)

代官山スポーツ・カルチャーパーク                                            -スポーツを楽しみ、その空間を利用した文化・交流のための公共空間-

 代官山T-SITEは、民間企業であるTSUTAYA(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が提案したメディアストアがあり、人々は様々な方法でこの空間を利用しています。公共施設ではありませんが、人々は個々の目的や状況に合わせて、様々に空間を既に公共的に利用しています。この環境を参考にして、スポーツを楽しむ場所、スポーツを通して交流・練習する場所、知識を得る、グループ活動や支援を受ける場所をつくります。
 スポーツは、種類によって空間のサイズが決まっています。敷地には限度がありますので、都心の良好な環境の中で、スポーツとそれを介した交流がより活発に行われると思える競技を選定してください。その競技に必要な空間とその観客席を適宜確保します。そしてその前後の準備、更衣、洗面シャワー、トイレ、休憩、打ち合わせ、備品倉庫等の必要空間を計画します。
 さらにスポーツ空間はその特徴に合わせて、音楽、ダンス、演劇、パフォーマンス、映像やメディアを駆使した体験型イベント、パーティー、飲食を伴うテーマイベント等まで、様々な用途にも利用可能です。その可能性も考慮して屋内、屋外両方の空間を提案してください。
 この課題は、必要となる様々な規模の空間を調査し、把握し、その大きさを体感してイメージした上で、リアリティを持って人々の活動を想像し、空間を構想することを目的としています。人々の個々の公共空間の使い方の例はT-SITEで提案されています。そこに、少し大きな規模の空間で、多数の人々が同時に利用、鑑賞できる空間を含めて、施設全体がスポーツと文化の新しい公共空間となるように計画してください。


■敷地条件
 東京都渋谷区猿楽町
 第2種中高層住居専用地域 容積率300% 建ぺい率60%
■設計条件
 延床面積:6,000㎡程度(内外のスポーツ施設含む)
 構造  :自由
 階数  :地下1~2階、地上3階程度(高さ20mまで)
 用途  :屋内スポーツ施設(競技を決め、それが可能な施設と観客席500席程度)1000~1500㎡
      屋外イベント広場兼運動場 適宜
      準備、更衣、洗面シャワー、トイレ、休憩、備品倉庫等 合計300㎡
      トレーニングルーム 400㎡
      ワークスタジオ 400㎡
      展示スペース 400㎡
      様々な用途に用いる貸しスタジオ 60㎡×3室
      ロビー空間 1000㎡(閲覧、椅子スペース300㎡含む)
      カフェ 200㎡(屋外テラス100㎡含む)
      レストラン 200㎡(屋外テラス100㎡含む)
        スポーツショップ 100㎡

                 (これらはスポーツ施設やロビー空間の一部に取り込むことも可とする)
      ストックヤード 100㎡
      事務管理スペース 100㎡
      トイレ 各所に合計100㎡
      倉庫、機械室 300㎡
      車寄せ、身障者駐車場2台、搬出入車スペース、搬入口
      その他共用部分

建築設計論2・同演習(秋・月3−4・6セメスター)

◎河内一泰・野口直人