歴史的建造物の活用法を提案する一般公開イベントを実施しました

工学部建築学科の杉本洋文教授の研究室で学ぶ学生と大学院生が4月26日、横浜市内にある共同住宅「吉田町第一共同ビル」の活用法を提案する一般公開イベントを行いました。

横浜市内には戦後復興期の都市計画に基づいて建築された商業ビルや共同住宅が約200棟残っていますが、老朽化が進むなど今後の利用のあり方が大きな問題となっています。杉本教授の研究室ではNPO法人アーバンデザイン研究体と合同で、3年前から市内にあるこうした建築物の調査を実施、建物の実測調査や住民への聞き取り調査などを通して現状の把握や部屋の活用法などについて研究してきました。今回のイベントは、その一環として調査した同ビルのオーナーから「現代にあった室内の活用法を提案してほしい」との依頼を受けて、学生らが室内の設計と施工を行ったものです。

 

実施にあたっては、ゼミ生によるコンペを実施。オーナーらによる選考の結果、「ヨシダノマチヤ」をコンセプトにした影沢英幸さん(大学院工学研究科1年次生)の作品が選ばれました。この作品は、玄関から反対側の窓までの間に通り土間を設け、部屋全体を縁側のように使うことができるようにしたものです。土間は、最近流行の自転車の整備や絵画を描くためのスペースとしても活用できるようになっています。学生たちは影沢さんの図面をもとに、専門家の指導を受けながら施工も実施。浅見雅士さん(同)をリーダーに、15名の学生が壁面の塗装や土間の整備、老朽化した窓枠の修復などに取り組みました。

当日は近隣の大学生や研究者などが数多く来場し、会場に置かれた図面などを見ながら部屋のコンセプトなどについて学生と熱心に意見交換をする姿が見られました。

学生らは「実寸の部屋の改装に携わることで、人が長く住む住宅で施工する際にはどのような基準で材料が選定され、施工されているのかを実践的に学ぶことができました」、「今回の調査を通して、歴史の中で生まれてきた建築物を生かしながらまちづくりを考えることの大切さを知り、古い建物の持つ魅力を再発見することができました」と感想を語っています。

杉本教授は「建築物を建てる際には、住民など多くの人の意見を聞きながらプランを作っていくことが求められます。今回は実際に人が住むことになる部屋の設計や施工を行ったことで、学生たちにとっては普段の授業などとは違う貴重な経験を積むことができたと思います」と話しています。