2013年度設計系授業参考作品

2013年度に行われた1年生から4年生までの設計系授業の参考作品を課題別に紹介します

*1年次設計演習授業

建築デザイン1・同演習(春・水3−4・1セメスター)

◎渡邉研司・加藤仁美・十亀昭人・秋吉正雄・金子哲也・楠英恵・竹内宏俊・田島芳竹・平本和也・吉田美樹

建築デザイン2・同演習(秋・水3−4・2セメスター)

◎加藤仁美・小沢朝江・十亀昭人・秋吉正雄・金子哲也・白子秀隆・田島芳竹 ・富永哲史・番場俊宏・彦根明・平本和也・森昌樹

*2年次設計演習授業

建築デザイン3・同演習(春・木3−4・3セメスター)

◎杉本洋文・羽生修二・山崎俊裕・井上玄・岡田公彦・岸本和彦・白子秀隆・富永哲史・手塚由比・彦根明・更田邦彦・森昌樹

復興ステーション

東日本大震災から既に2年以上が経過した。そして、被災地では瓦礫撤去・片付けが進み、失われた街はそのままの状況で、復興の姿は現れていない。被災者の仮設住宅での生活も継続していて、新たな住まいを得るためには、あと2年以上、あるいはそれ以上かかるところも出てきているので、復興にはまだまだ時間が掛かることが予想される。

先日、陸前高田市の戸羽市長は「復興が忘れられること」の危惧を語っていた。戸羽市長に限らず、多くの方からそうした声を耳にする。

皆さんは震災を忘れていませんか?

新聞の調査でも被災地から遠く離れるほど、忘れている率が高くなると言われている。

そこで、こうした震災の問題を考える機会とする。今回の震災を忘れず「復興を身近に感じる・復興の見える化」を目的とした「復興ステーション」の提案を課題とする。ここでは、被災地の復興の様子を、その進捗状況を人々の身近な場所で、リアルな形で、ライブな感覚で見せることを狙いとする。

東海大学では3.11生活復興支援プロジェクトで、復興支援のボランティア活動を行っている。さらに3年目に入り、活動の継続を計画している。そこで、大学キャンパス内に設置して、学生はもちろんのこと周辺市民の皆さんにも訪れてもらえる施設を目指す。

                  

■施設機能

 1)ニュースコーナー

 2)販売コーナー

 3)事務所+倉庫(1~2名の事務作業スペース)

 4)洗面・トイレ

 5)提案コーナー(各自必要な機能を考えて提案する)

 6)屋外イベントスペース(市や音楽イベント等に活用)

■建築条件

 ・場所 東海大学のキャンパス内の指定した場所

 ・敷地面積 938.4㎡

 ・規模 100㎡程度

 ・階数 自由(ただし地下は不可とする)

 ・構造 被災地の瓦礫、木材を利用するなど考えられるが、自由提案とする。

「ON・OFF 森の家」

現代社会では、人口の多くが都市に暮らすようになり、核家族化も進んでいる。日常の都市での生活は、密度の高い「ONの時間」を過ごしている。そのために、週末などの時間は、その日常から解放された「OFFの時間」を求め、日常とは異なった趣味などの活動を屋外ですることになる。

自然豊かな環境に接することによって、わたしたちは、時間の流れ、身体感覚、人と人との関係等を再認識したり、取り戻すことができる。そこで、週末などの短期の期間に、家族や親しい仲間と一緒に、自然豊かな森林の中で生活する「森の家」を課題とする。

敷地は、「小田原いこいの森」の中とし、清流に接している緩やかな傾斜地とする。計画にあたっては、この清流を考慮し、森林の一部を伐採するなどできるが、自然破壊を最小限に留めるように配慮すること。

施設は家族4人と親しい仲間2~3人で一緒に生活できる空間を確保し、森林を活かした活動の拠点となるようにする。したがって個人の最低限のプライバシーが確保できればよい。また、食事は皆で一緒に料理をしながら会食できる場を設ける。また、森の清流の水を使って仲間と一緒に入れる温浴施設を計画する。計画にあたっては、森の中で自然に接して活動する拠点なので、屋内外の活動をよく考え、それらの活動に必要な空間のスケール感をつかむこと。そして、自然()に対して、人・建物ともに積極的に関わっていく装置としての建築の新しい可能性を提案してもらう。

 

■敷地条件

 ・住所 神奈川県小田原市久野

 ・敷地面積 約600㎡程度

■建築条件

 ・構造 各提案者の任意

 ・階数 適宜

 ・最高高さ 10m

■建築規模

 ・規模 120㎡程度

・家族構成 夫婦+子供2人(+友人2~3人)

・必要機能 交流スペース30~50㎡、宿泊スペース30㎡、水回り・他15~20㎡など

 ※ただし屋外スペースはこれに含まない

■その他

 ・自然の中での暮らしなので、暖炉・展望デッキ・バーベキューテラス・趣味スペースなどは自由に設定して提案すること。

 ・滞在者全員の個室は必要ではない

 ・駐車スペースは敷地近辺にあるので計画しなくてよい

 ・アプローチも考慮すること

 ・敷地内の木の伐採については、各提案者の任意とするが必要最小げなとする。

二つの家族の一つの住宅 共に暮らすかたち

 家族やその住まいについて考えてみたい。それはnLDKという住宅の形式を問い直し、現在の家族に求められる住宅の形式を考え直すことである。個室の在り方、家族の時間を共有する空間の在り方、二つの家族が共有する空間の在り方、同時に、その関係性を考え直し、個人と個人、個人と家族、家族と家族の関係性を、住宅を構成する空間(部屋)に置き換え自分なりの提案をしてほしい。
 近年、共に暮らす住まい方も多様化し、親族との二世帯住宅だけでなく、地縁ではない、別の目的意識をもった他人が集まり暮らす住宅の形式も成立し始めている。この課題では、二つの家族が共有する空間を必ず持つという条件下で、二つ目の家族を自由に設定することで、共に暮らす新しいかたちも同時に考えてほしい。

 

■敷地条件
 ・千葉県浦安市の住宅街
  広い道路に2面接地している。
※隣家が密集して建ち並ぶ住宅地であるが、北東には道路をはさんで高校のグラウンドがあり視界が抜けている。この周辺環境や二面道路のメリットを生かした計画とする。
■設計条件
 ・敷地面積 192.5㎡
 ・延床面積 200㎡程度(駐車場・屋外スペースは面積に含まない)
 ・絶対高さ 10m以下
 ・構造・階数 3階以下
■家族構成
 二つの家族の設定は下記とする。
 一つ目:将来自分が結婚し子供が二人生まれた4人家族
 二つ目:親族に限らず、この課題で自由に設定する2人から4人の家族
■要求諸室
 ・二家族の共有スペース
  室内外は問わず、少なくとも一つ以上の空間を二家族が共有すること
 ・家族の共有スペース(LDKなど)
 ・個人のプライベート(個室など)
 ・浴室、洗面室、便所、納戸など
 ・駐車場最低1台(屋外でも可)

 

建築デザイン4・同演習(秋・木3−4・4セメスター)

◎吉松秀樹・山崎俊裕・渡邉研司・井上玄・木島千嘉・岸本和彦・河内一泰・納谷新・古見演良・更田邦彦

引かれたまちの記憶と足される未来

-Subtracted memory of SHIMOKITA & additional future-

デザインという行為は、「整理する」作業から始まる。それは条件を「整える」ことだったり、バラバラな要素を「揃える」ことだったりするが、初期段階ではそれだけでデザインの方向性が決まってしまうこともある。デザインとは、「モノ」を作ることが目的なのではなく、「場」や「経験」や「生活」を描くことが目的であるからだ。


この課題は、小田急線・井の頭線下北沢駅北口周辺(通称シモキタ)を対象としてサーベイ(調査)を行い、そこで発見した問題意識をもとに、これからのシモキタをより魅力的にする(一時的な)建築提案を求めるものである。


ここ数年、シモキタは、今年3月の小田急線の地下化や将来計画に伴い、劇的な変化を続けている。工事のための空き地もあるし、駅前計画や道路計画(補助54号線)のためにヴォイド(空白)になっている場所や店も多い。それに伴い、一番街商店街などには一時的な店が増え、これまでとは違った様相を見せ始めている。いわば、都市的な「引き算」と「足し算」がバランスしている特異な街だといえるだろう。


このシモキタをサーベイ(調査)し、引かれたまちの記憶(スキマや空地)を選び、一時的な建築やランドスケープを提案する。だが、「休むための公園」や「自転車置き場」ではなく、街の清掃や大規模な都市改造をもとめているわけではない。サーベイ→分析→問題意識→提案のプロセスを、自らの体験をもとに発展させることを期待している。
 
■敷地条件 下北沢駅周辺に各自場所を設定する
■建築条件 建築的・都市的提案であること
■建築規模 延床面積は特に規定しない
■施設内容 ・周辺環境との関わりに配慮した提案であること
      ・新しいアクティビティー(行動)を発生させるために必要な機能を含むこと

図書館のようなもの

Librarylike architecture, Shimokita

現在の本は、文化の根元的メディアとして数百年の歴史を持っている。しかし、この伝統的メディアはiPhoneやiPadなどの普及に伴い、デジタルメディアに急速に取って代わりつつある。現在の本が全てデジタルメディアに代わると考える専門家は少ないが、その関係性は大きく変化していくだろう。最近では、デジタルメディアに対して、プリントメディアという言葉が使われるようになり、その流通システムも、アマゾン(amazon.com)yやiTuneに代表されるように、急激な変化をとげている。本屋も、代官山蔦屋書店(Tサイト)のように、様々な機能・役割が付加されたメディアストアへと変わりつつある。公共建築である図書館もまた、これまでの図書管理を中心としたサービスから、新しい公共施設としての使命を考えなくてはならない岐路にあり、新しい枠組みの公共施設が既に各地に出現し始めている。


以上の様な現状をふまえた上で、大きな都市的変化を迎えている下北沢北口に、メディアサービス機能を中心とした「図書館のようなもの」を提案し、これからの下北沢に相応しい、都市生活と公共施設の関係を記述して欲しい。

 

(補足)
メディアサービスや展示スペース以外に、ワークショップや講演などに使われるスペース(100~150人)やカフェなどを設けること。大きな施設ではないので、演劇・音楽・ファッション・食などテーマを絞った下北沢らしい専門的な公共施設としてもよい。

 

■敷地条件
  東京都世田谷区 1130㎡
  商業地域・建ぺい率80%・容積率500%
  北側道路は、法規上4mに拡幅しなくてはならないが、提案に応じて判断して良い
  敷地内に、公開空地300㎡を設けること
  隣接する小田急線線路跡地も提案して良い
■建築条件
  構造自由 階数自由 地下可能
■建築規模
  延床面積 1500㎡程度
■施設内容
  メディアテーク(図書+展示・情報+メディア)機能、イベントスペース機能(100~150人)、
  提案機能、管理機能(事務室、従業員控室、倉庫、トイレ)
  搬出入・荷さばき室、機械室(延床面積の7~10%)
  駐車スペースは設けなくとも良いが、メンテナンス、搬入などのサービス経路を考慮する
  管理、サービスのスペースを確保し、周辺環境も含めた提案を必ず行うこと

ウチとソトのあるイエ

 雨や風、暑さ、寒さから逃れるシェルターが、建築の原点である。気候の変化から身を守り、外敵からも身を守る。その答えとして、「建築」は存在している。壁や屋根によって、外部と内部の領域を分けることで、「建築」は成立しているのだ。つまり、建築を設計する行為とは、「領域」を決定する行為であると、言い換えられるだろう。

 

 では、その「領域」はどうやって決めるのだろうか?「建築」と「彫刻」の違いは、「室内(インテリア)」の有無であるという考え方がある。外敵や暑さ寒さから守るという意味で、建築にとって「室内」を作り出すことは重要な「目的」のひとつである。しかし、完全に閉じてしまうと、光も入らず、外も見えない、陰鬱な空間となってしまう。だから、建築家たちは、窓や建具を用い、「ウチ」と「ソト」を連続させようと腐心してきた。言い換えれば、「建築」の本質は、「ウチとソトを分けること」にあるといって良い。「ウチ」と「ソト」が明確に分けられ、そしてトイレ・風呂・キッチンなどの水回りや階段をそれらと連続させることが出来るなら、素晴らしいイエを作り出すことができるだろう。

 

 この課題は、「ウチ」と「ソト」という領域の区分から、建築全体を考えていく行為を目的とするものである。建築にとって「ウチ」とは何か?「ソト」とは何か?そして「魅力的なウチとソトの関係」とは何か?を考えることによって、「ウチ」と「ソト」が魅力的につながった「イエ」を考えてほしい。

 

■敷地 225㎡(15m角の敷地)
    接道状況や周辺環境は自由に想定してよい
    密集した住宅地でもよいし、自然に囲まれた場所でもよい。周辺環境を十分に表現すること。
■設計条件
 ◆魅力的な「ウチ」と「ソト」の関係を持った小住宅であること
 ◆階数 2層以上(階段でつながれていること)
 ◆構造形式 自由
 ◆床面積 70㎡程度
 ◆必要諸室 2名以上で使う住空間であること
       住宅として成立する機能を満たしていること(他に依存しない)
 ◆ランドスケープ 敷地内のアプローチ・ランドスケープなどを必ず提案する

*3年次設計演習授業

建築設計論1・同演習(春・月3−4・5セメスター)

◎吉松秀樹・武井誠・木島千嘉・蜂屋景二・古見演良・柳澤潤

これからの交響建築                             -構造から考える公共建築のカタチ-

市役所、小中学校、図書館、博物館といった従来の公共建築は時代に合わなくなってきた。少子高齢化、人口減少といった縮小する都市の問題だけではない。自分の目前にある小さな携帯端末で世界と交信すれば、パブリックな世界と瞬時に、効率的に繋がることができるからだ。それでは、実態空間としての公共建築は不要なのであろうか。いや、だからこそ魅力的な公共建築について考えてみたい。それはもしかすると、交響曲のようなものかもしれない。人々が交わり響き合い誰からも愛されるような公共空間とはどのようなものだろうか?時代を経ても何度も訪れたくなるような空間とはどのようなものだろうか?あなたにとってのこれからの交響建築を特色のある構造で築いてほしい。

 

東日本大震災や原発問題の経験を経て、建築や都市に対する考え方が変わった人もいるだろう。それは強大な自然の力への脅威もさることながら、私たちにとって本当に大切なものは何かという根源的な問いかけを突きつけられたからである。インターネットや携帯電話の普及により、私たちの生活スタイルはここ15年ほどで大きく様変わりしてきた。その結果、これまでの機能別の建築計画学は大きく揺れ動いている。例えば、町の核として機能していた小学校は、より地域に開放された施設像や、生涯学習の場や子育て支援のための機能が求められている。震災時の避難場所に、多くの学校の体育館が使われたように、緊急時における受け皿としても、学校は新しい社会的使命を与えられている。

 

この課題は、小田急線の地下化によって都市構造が大きく変化しつつある下北沢の小学校を敷地として、これからの公共建築のあり方を問う課題である。既存の建築形式にとらわれることなく、これからの日本にとって必要な公共施設像を提案してほしい。

 

■設計条件

プログラムの配列からではなく、敷地に相応しい架構(構造)を考えることから設計を始めること。様々な世代にとっての「場」を提案するにあたって、以下の3つの連続性を意識してほしい。

1・都市コンテクスト(文脈)を読み込み、ランドスケープと建築デザインを行うことによる周辺環境との連続性

2・地域住民にとっての平面的・断面的な動線計画を熟慮し、配置された諸機能の連続性

3・建築計画にとどまらず、家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性

 

 

■敷地   東京都世田谷区

■敷地面積 5,850㎡ 敷地内に公開空地を2,000㎡以上設けること

■設計条件 建築面積 建ぺい率50%とする

            延床面積 4,000㎡以上

      構造形式 木造、S造、RC造、SRC造など自由

      階 数  2階建て以上

      必要諸室 ・図書館・公民館・地区センター・小学校・生涯学習センター・児童館

                       など、旧来の建築計画の機能を再編し、地域に相応しい施設像を描く

             ・図書館機能・市民活動支援機能・青少年活動支援機能・生涯学習支援

                       機能など、自由に想定。

                      ・管理運営諸室を設け、搬出入機能を設ける。機械室7%程度。

オフィスビルはアーバンファサードの一部である                           -断面から考える多層建築のカタチ-

世の中にある建物で一番多いのは、「住宅」と「オフィス」です。また、多くの人々は一日の大部分でそれらの建物を使っています。「オフィス」は「住宅」と同じく重要な建築だといえるでしょう。高密度な都市に建つ建築は、その限られた敷地を最大限に活用するために高さを獲得し、エレベーターやエスカレーターなどの進化が更なる高層化を可能にしてきました。建築の仕組みや構造の考え方がフィットしないと、フロアーを積み重ねていくデザインはリアリティを持ちません。こういった認識を踏まえて、銀座中央通りに面した敷地に、モバイル家電、携帯企業のブランドのフラッグシップビルを計画してください。既にアップル社が「Apple Store」を銀座に展開していますが、それらに対抗できる仕掛けやアクティビティ、デザインを考えてほしいのです。

 

課題の目標は、多層建築の可能性を、構造を理解しつつ断面から考えること、高密度な都市の文脈を読み、デザインすること、ビルファサードの「かたち」がその文脈への答えになるようなスタディをすることです。「高層の建物で、都市に建っていて、オフィスのビル。そしてそれは少しだけ今までに見たこともない新しくて良いもの。」そんなシンプルな解答を期待しています。

 

この課題では、周辺都市環境との関係性、低層部の足元周りの計画、構造と計画の整合性、建築企画立案とそのデザイン提案などが求められている。企業や製品を建築で表すことは、他の建築との違いを意識することである。同様に、敷地や計画の条件を考えることは、他との差異を測ることに他ならない。単なるガラスの箱ではない、新しい多層建築の在り方を提案してほしい。

 

■敷地   東京都中央区銀座

■敷地面積 612㎡

■設計条件 延床面積:7,000㎡前後

■構造形式 自由(鉄骨造、SRC造など)

■高さ   地下1~2層、地上10~15層(最高高さ56m+工作物10m)

      銀座はかつて31mラインで高さが揃えられていた。

      現在、一番高いのはポーラ銀座ビル(65.9m)である。

■必要諸室 (以下を目安にして、必要諸室と面積配分を決定)

・低層部分 地下1階~5階は、想定したモバイル家電に関するギャラリー・ショールーム

      カフェやカスタマーサービスカウンター・教育部門などを設定。

      中・高層部分との関連を考慮する。

・中層部分 レンタブル比75%前後の基準階を持つオフィススペースを設定。

      低層部ブランド1社が使用する。1フロア20~40人×5~6フロアとすると

      約150人前後が使用。

・高層部分 自由提案(文化施設・レストラン・ゲストハウスなど)

      低層部と関係があることが望ましい。

・機械室  延床面積の7~10%確保。

・駐車場  敷地外で確保するものとするが、搬出入動線や駐車スペースは確保する。

・EV   台数を資料集成などから想定する。必要な場合は、搬出入用のEVも1台設ける。

・階段   避難階段として区画された直通階段を2つ以上設けること。

建築設計論2・同演習(秋・月3−4・6セメスター)

◎杉本洋文・上田至一・佐々木龍郎・山縣洋

○○市文化センター

-市民参加を促す文化芸術拠点の創造-

○○市では、昭和30年代に開設された市民センターの建て替えを計画している。市民センターは、舞台芸術の鑑賞や文化活動の発表の場として、広く市民に利用されてきた。しかし、建設されてから長い歳月を経過しているため、施設の建て替えが必要になっている。


市民センターは、体育館跡地を中心に位置している。計画地は、約2.5haを有する中心市街地の貴重な公共用地である。ここは、江戸時代の宿場の中心地でもあり、宿場町の歴史を残し、その後の市の発展に合わせて、様々な公共施設が整備されてきた。計画地には、○○市の貴重な歴史を伝える旧市議会会議棟の公民館や緑地が残されている。


第1課題では、この市民センターが計画されている敷地を対象に、○○市の新たな文化芸術を発信する新文化センターのあり方を考えて提案することを課題とする。


公共ホールは、社会変化に合わせて、様々に変遷してきている。新しい提案を考えるためには、先進的な公共ホールを調べ、それらの施設計画、運営方法、建築の特徴、建築家の考え方や提案などについて、充分に把握した上で、提案を考える必要がある。また、公共ホールは、立地する都市の個性や特徴を反映することも求められることから、アーバンデザインの視点からも検討を加えて提案することを考えてもらいたい。

 

■敷地   神奈川県
■敷地面積 約24,854㎡(敷地内は平坦)
■用途地域 商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)
■その他  防火地域、第4種高度地区(最高高さ31m)、駐車場整備地区
■建築概要 
◆構 造  RC造またはS造
◆規 模  12,560㎡程度
◆階 数  適宜
◆必要諸室 下記は参考項目とし最終的には各提案者に任せる
      ・ホール機能:6,000㎡
        -大ホール(1,200席程度)
        -小ホール(300~500席程度)
        -ホワイエ
        -バックヤード(楽屋、倉庫等)
      ・展示機能:600㎡
        -○○文化継承室・展示スペース(4m程度の有効天井高さ)
        -展示の準備室・収納庫
      ・創造系支援系機能:1,000㎡
        -大中小の各スタジオ
        -ワークショップスペース
        -和室
      ・交流機能:600㎡程度
        -オープンロビー
        -レストラン・カフェ
        -ショップ・ライブラリー
        -託児室など
      ・管理機能
        -楽屋事務室、管理事務室(20~30人程度の執務スペース)
・その他
  -各施設に必要なトイレ、倉庫、廊下など
  -機械室
-広場(外部)、駐車場

○○建替え計画

-クールジャパン発信拠点と新たなワークスペース・ライフスタイルの提案-

7年後の東京オリンピックの開催を契機とする○○の建替え計画を提案する。

 

■敷地 東京都港区
■敷地面積 1497.3㎡
■用途地域 第2種住居地域・第2種中高層住居専用地域
■建ぺい率/容積率 60%/300%)
■高度地区 第3種高度地区
 ■建築概要
  ◆構造 自由
  ◆規模 約5,000㎡程度
  ◆階数 適宜
  ◆必要諸室 各提案にそって検討する
■機能
 ◆オリンピック開催時におけるクールジャパンの発信拠点施設
  ◆オリンピック閉幕後における新たなワークスペース・ライフスタイルを提案する複合ビル